昆虫食とは何か?
昆虫を食べる事を『昆虫食』といいます。
日本では虫を食べる事はあまりありませんが、世界人口約70億人の内、20億人もの人達が、約1900種類もの昆虫を食べています。
栄養価が高く、生産性の高い虫ゴハンが、近年世界中で注目されているのです。
虫を食べた方がいい理由トップ3
《昆虫食》虫を食べた方がいい理由トップ3!
①地球にやさしい食材だから
虫は少しのエサで成長し、食べられる部分も多いです。
身体の約80%も食べる事が出来ます。ちなみに、牛は40%しか食べれません。
さらに、温室効果ガスの排出も少ない為、今後もし地球が食糧難の危機になった時、虫が「地球を救う食材」になると言われています。
➁栄養豊富で身体にいいから
高タンパク質かつ、低糖質な虫は、ダイエットや筋肉トレーニングに最適な食材です。
さらに、ミネラルも豊富に含んでいる為、健康にいい万能食材なのです。
タンパク質は、牛・豚・鶏などの家畜と同じくらいの量が含まれていて、不飽和脂肪酸・ビタミンB群・食物繊維・鉄・マグネシウムなど身体に良いものばかりです。
③食わず嫌いは勿体ない。美味しいから
興味本位で食べてみたら、あまりの美味しさにハマってしまったという人が続出。
うま味が豊富で、食材としての美味しい食べ方の研究も進められています。
バッタは世界の主食!?
世界には、信仰上の理由などで、特定の生き物を食べないと決めている人達がいます。
虫を食べる事を禁じている宗教は多いのですが、何故かバッタ類に関しては宗教的タブーがとても少ないのです。
キリスト教やユダヤ教の聖書には、バッタなどの虫ゴハンが紹介されていますし、イスラム教の書物には、ムハンマドがバッタ類を食べている記述もあります。
食べ物のルールが厳しいユダヤ教では、虫全般を食べないようにしていますが、バッタ類は例外的に食べる事を許されています。
なぜバッタ類だけなのか…
これは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教が生まれた西アジアは、乾燥地帯で、バッタの大量発生による災害がよく起こる地域でもあります。
バッタの大群に襲われると、畑の穀物など、食料が食い荒らされてしまう為、かわりにバッタを食べる習慣が根付いていた事が、理由として考えられます。
なので、バッタは世界中でとても多くの人が食べる事が出来る虫なのです。
美味しい虫トップ5
《食べてみよう!!》美味しい虫トップ5!
①セミ
幼虫も成虫も、抜け殻まで美味しく食べれる!
「成虫の素揚げはサクサクとした食感がいい」「幼虫の燻製は絶品」など、いろんな食べ方が出来るので人気。
セミの中でも、アブラゼミが、日本で美味しいセミとして有名です。
②ジバチ(クロスズメバチ)
ハチノコのクリーミー&濃厚なうま味とプチっとした食感がくせになる!
長野県や岐阜県でとくに愛されるジバチ。「おふくろの味といえばこれ」という声も。
③カミキリムシ
幼虫は日本の虫の中で最高の美味しさとの呼び声高し!
「幼虫はトロ、成虫は鶏肉」と例えられる味わい。
④オオスズメバチ
大きくて怖い印象のオオスズメバチも、食べればクリーミー!
とくに前蛹(幼虫とサナギの間の状態)は「とろけるようなやわらかさ」と評判です。
⑤タイワンタガメ
フルーティーな香りを放つ個性派の虫がランクイン!
香りのよさはもちろん「身がシーチキンのよう」という声も。
くせの強い虫トップ3
①カブトムシ
日本のカブトムシの幼虫は、腐葉土を食べているから「土臭さが半端ない」などと低評価。
②ムカデ
ムカデの成体も、頭部に独特の苦みがあるが、頭部を除くか苦みの薄い幼体をカリっと揚げると、骨せんべいみたいで食べやすい。
③ホタル
ホタルは、「あっちのホタルもこっちのホタルも苦い」ので、鳥も食べない。
世界で1番食べられている虫トップ5
①クワガタ・カミキリムシなど(コウチュウ目)
虫の中で一番多くの種類が食べられているのが、クワガタやカミキリムシやなどのコウチュウ目です。
皮が固い成虫ではなく、多くは柔らかい幼虫が食べられているそう。
アフリカ・アジア・南アメリカなど、世界中で好まれている虫です。
②チョウやガなど(チョウ目)
2番目に多く食べられているのが、チョウやガなどのチョウ目です。
これも幼虫やサナギがおもに食べられています。
日本を含めたアジアの広い地域で、カイコガのさなぎなどはよく食べられていますし、アフリカの中南部では、モパネワームと呼ばれるヤママユガの一種の幼虫が人気のようです。
③ハチ・アリ(ハチ目)
ハチやアリも人気の高い虫です。
特に蜂の子の料理なんかは食べやすく、日本の飲食店でもたまに見かけたりします。
東南アジアで人気です。
④イナゴ・コオロギ(バッタ目)
バッタやコオロギは、何千年も前から食べられている虫です。
バッタは世界中で食べられています。
⑤セミ・カメムシなど(カメムシ目)
セミやカメムシはおもに中国や東南アジア各国で愛されています。
特にカメムシは、パクチーの香りがする種類もあり、珍重されています。
虫を食べる時の注意点
・死んでいる虫は食べない
虫は新鮮さが大事!とれたては美味しいですが、死後時間がたった虫は要注意です。
とった虫はすぐに食べるか、きちんと加工して保存しましょう。
死んでいる虫を見つけてもラッキーと思わず、スルーしましょう。
・有毒な虫に注意する
ハチやクモやアリには、毒をもっているものもいますが、そのほとんどが加熱すると毒性が抜けていくので食べても安全なものが多いです。しかし、ツチハンミョウの仲間は強い毒を持っていますし、毒の強い植物をエサにしている虫には要注意!虫取りに行く前に図鑑などで危険な虫は必ずチェックしておきましょう。
・よく手を洗おう
ご飯を作る時は当たり前の事ですが、雑菌が入らないように、きちんと手を洗い、調理器具もしっかりと洗浄しましょう。
・必ず加熱して食べよう
虫についた雑菌や、虫のおなかの中にある未消化物を殺菌する為、虫を食べる時は必ず中心部が75度以上の温度になるようにして、1分以上加熱して食べるようにしましょう。
しかも、虫は加熱すると、とても美味しくなりますので。
くれぐれも、取った虫はそのまま生で食べるのはダメです。
・アレルギーに注意
虫には、カニやエビなどの甲殻類と同じトロポミオシンというタンパク質が含まれている事が多いです。
カニ・エビ・ダニアレルギーを持っている人は、虫を食べても同じような症状が出てしまう事が多いので食べない方が安全です。
また、食べたことがない食材は、虫に限らずアレルギーリスクがあるので、初めての食材を口にする時は、少しずつ食べて身体に異常がないか確認しながら食べましょう。
・体調の悪い時は食べない
風邪を引いていたり、体調が万全でない時は、慣れないものは食べない方が安全です。
体調が悪い時に、虫を食べるのは控えましょう。
まとめ
虫は育つ間に、地球環境に悪い温室効果ガスをわずかしか出しません。
しかも、少しのエサで育ち、身体の多くを食べる事が出来るうえに、栄養満点!
だから、この先、世界人口が増え続け、食料不足や地球温暖化の不安がある中、虫を食べるという事が注目されているのです。
虫がいるから、地球の生態系は保たれているのです。
虫って実は、地球をすくうヒーローなんです!!
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