簡単にわかる ウクライナ・ロシア情勢 【簡単解説】

生活・社会

世界情勢の歴史

なぜロシアとウクライナがピリピリしているのか?

 

まずウクライナは位置的にロシアから見て日本の反対側、首都モスクワの近くロシア西側の隣国なんです。

 

北京オリンピック前からロシアの軍勢がウクライナの国境付近に軍を整備し始めました。

 

ウクライナも軍をもちろん整備して、ピリピリムードでした。

 

なぜそうなったのか?ロシアのメッセージは何なのかは歴史が教えてくれます。

 

それがNATO(北大西洋条約機構)への加入するなよという事です。

 

ソ連時代に共産主義国で作っていたのがワルシャワ条約機構であり、それに対抗すべく、アメリカやヨーロッパが作ったのがNATO(北大西洋条約機構)なのです。

 

これはいわゆる軍事同盟です。

 

ソ連崩壊後、冷戦も終わり良かったねで終わるはずがNATOは解体したソ連、ロシアの周りの国をガンガン取り込んでいくことで、ロシア包囲網を作っていきます。

 

ロシアとしては嫌ですよね。

 

ロシアは広すぎるために国防に非常に神経をつかうわけです。そこで、EU、中国、アメリカといった国との間にクッションとなる国を周辺に置いておきたいわけです。

 

その隣国や近隣国を引きはがしに来たのがNATO(北大西洋条約機構)なのです。

 

プーチンが大統領になってから20年、東ヨーロッパはどんどんNATOとEUに加盟していったのです。

 

そこでウクライナは旧ソ連において人口が2番目に多い地域で、超重要地域なのです。

 

ウクライナの中でも考え方が割れていて、ロシアについた方がいいという人もいれば、EUに入った方がいいという人もいるわけです。

 

そこでいよいよウクライナがNATOに入るぞとなった時に『絶対に入るなよ、NATOに入るのは許さねえぞ』とロシアはメッセージを送り続けている状態です。

 

これが軍事的な側面でみた理由の一つです。



プーチンVS民主化運動

2003年ジョージアで起きたバラ革命や2004年にウクライナで起きたオレンジ革命などは民主化しようという運動です。

 

ロシアは2000年~現在までプーチンの実質的独裁政権でした。

周りも独裁国であるほどトップさえ押さえておけばいいのでコントロールしやすいのです。

 

プーチンは民主化は嫌なのです。自分に矛先が向くからです。

 

プーチンはKGBというスパイ組織からわずか3年で大統領になり、噂ですが、石油会社、天然ガス会社を全て国営化し、莫大の富を得て、テレビ局を買収し政権批判するマスメディアをなくし、強力な手腕の持ち主なのです。

 

そして11年が経ち、時代が変わります。ITの時代、スマートフォンが普及されるようになります。

 

情報統制ができなくなり、反プーチン運動が徐々に増えてきます。

 

プーチン政権の維持という側面でもウクライナを落とすわけにはいかないのです。

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ウクライナの考え

ウクライナのゼレンスキー大統領としては、事を荒立てたくなかった。

 

しかし、以前、南のクリミア半島をあっという間に占領されたために気が気じゃなかったわけです。

 

2014年クリミア侵攻を実際されているのです。

 

ウクライナは東側の人はロシア文化圏の人が多く、西側はポーランド文化圏の人で分かれている国なので、ロシアの味方も結構いるんです。

 

2面性があるウクライナ。なのでクリミア侵攻の時もそこまで大事にならなかった流れがあります。

 

脅しなのか、本当に侵攻してくるのかはわからないという状態だったのです。



アメリカの動き

抑制主義者、外にアメリカの軍隊を派遣せずにコントロールするなという流れが最近は特にできてきています。

 

バイデン大統領は、米軍派遣に非常に消極的になっています。

 

そこでNATOの中心国であるドイツなどにウクライナに支援してやれといっても、

 

ドイツはドイツでエネルギー問題で、原発撤廃し、ロシアの天然ガスや石油に頼っている部分があるので、あまり荒立てたくない思惑があります。

 

NATOのまとまりが弱まっていることも確かです。

 

アフガン侵攻したNATO、撤退をしたのはアメリカの意志でした。結局NATOの作戦をアメリカはひっくり返したという過去があるわけです。

 

経済制裁にしても、ロシアと商売している企業もただでは済まないこともあります。

 

NATOとアメリカ、国際連盟は足並みがそろうのか?

 

あと中国は静観を決め込んでいるので、ここで干渉するのかしないかで、今後の中国と台湾。

日本との間で何かあった時のことも占っているわけです。

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ロシア侵攻

そして今最悪の事態、ロシアがウクライナに侵攻を始めました。

 

主に東部はロシア人側の味方も多く、武器工場があり、そこだけを侵攻すると予想されていましたが、北側ベラルーシ、ロシアと同じ独裁国家でロシアの味方ですが、南側クリミアから首都キエフを占領する勢いで侵攻しているようです。

 

元々はロシア人が多いウクライナの混乱を収めるという形、平和維持軍という名の元で侵攻しています。

 

アメリカが動かないことで、NATOとは?国際連盟とは?になってしまう恐れがあり、プーチンや習近平の思惑通りになってしまわないか心配です。


なぜNATOは動かなかったのか?

まず理解しなければいけないのがこのロシア侵攻は、世界史に残る重大事件 転換点になるという事です。

対岸の火事では片づけられないのです。

NATO(北大西洋条約機構)が抑止力にならなかった、NATOは2/24に派兵しないことを発表します。

つまり、ウクライナを世界は守らないよと宣言したわけです。

NATOの中心はアメリカとヨーロッパと考えていいでしょう。

アメリカが派兵を拒んだ理由ははっきりしています。国民世論が消極的だからです。

『アメリカが守るだろう』の日本感覚ではない!!とはっきりと証明されました。ここ何年かでアメリカという国は変わったのです。

アメリカは世界の警察だというイメージがまだありますよね。

アメリカ1強の時代から2011年オバマ政権からリバランス政策 軍事・経済・外交をアジア太平洋地域に集中することをやり始めました。

トランプ大統領になり、『アメリカ・ファースト』 国益に直結しない紛争には介入しないことも宣言しています。

正義の役割的立場にコストは払わない しかし実際は米軍撤退までには至らなかった。

バイデン政権になり2021年9月ついにアフガニスタンからの米軍撤退をします。

結局すぐにタリバンに抑えられるアフガニスタンでしたが、もうそこにはアメリカは介入しなかったのです。事実上世界の警察を降りた、世論的にはやっと降りてくれたとなっているのが今のアメリカです。

世論は世界中に米軍を送ることに疲れ果てていたのです。

この10年の文脈の中でウクライナに米軍を派遣することはないとお分かりいただけると思います。

ヨーロッパも動けない理由があります。

それがエネルギー問題です。圧倒的に天然ガス、原油でロシアに依存している状況があります。

天然ガス40%、原油は20%依存している。

天然ガスは電力を生み出す燃料、得に冬の時期は電力が必要な時期であるということ。

特にドイツ、イタリア、ハンガリーはエネルギー政策において、原子力、火力発電から再生エネルギーに政策を転換しており、より天然ガスが必要な状況に追い込まれている。

SWIFT・・・国際間の銀行送金システム → ロシアを排除することになった。経済制裁で核兵器クラスのこと。しかし同時に世界経済にも跳ね返りがもちろんある。

 

アメリカの世論、ヨーロッパのエネルギー問題でNATOが稼働しなかったわけです。

しかし、NATOの介入があった場合、核保有国同士の戦争になるので、より大きな戦争になる可能性があったという事でもある。

プーチンはなぜ侵攻したのか?

今となってはNATOが動かなかったが、動く可能性もあったのにも関わらず、なぜプーチンはウクライナに迷わず侵攻できたのか?

 

これはプーチンの暴走なのか?そうではないようです。

 

まず2021年1月バイデン政権に変わった、春にウクライナ国境に軍を配備する動きを見せているんです。

軽く威嚇をはじめ、バイデンの様子を伺います。強く警告してくるか、否か?

 

さらにNATOが出てこないかどうか様子を見ます。それがクリミアプラットホームです。

2014年クリミア侵攻し、併合し奪い取ってしまったロシア。ウクライナも世界に助けてくださいと呼びかけます。

2021年8月 クリミアプラットホーム・・・ウクライナが各首脳にクリミアはウクライナの国だと主張した会議

そこでアメリカ、欧州とも首脳陣を派遣しなかったことで、世界はクリミアの為に動かないぞと逆説的に証明するものとなってしまった。

2021年8月 アメリカがアフガニスタンから撤退を発表

この出来事がプーチンはNATOはでないだろうと確信したんではないでしょうか?少なくともアメリカはでない。

 

そこからロシアはウクライナに兵を増員していきます。

 

そして侵攻の20日前に2022年2月4日 露中会談 を行います。

そこでNATOへの批判を表明します。

経済制裁が発動された場合、中国は助けますよと声明を出します。

中国の狙いは、アメリカがどう出るのかが見たい。ウクライナとロシア 台湾と中国は非常に似た関係なので、先にロシアにやってもらってどうなるか見たいわけです。

ここで準備が整ったプーチンは2022年2月24日に侵攻を始めます。

計画的に1年間準備をすすめ、実行にうつしたわけです。こうして現在のハイブリット戦争が幕を開けたのです。

これからウクライナはどうなるのか?

まず第1に親ロシア派の国家としてトップを変えられる

強制的にロシア派の国家にさせられてしまうという事です。

ロシアは領土を広げたいわけではありません。NATOとの間にクッションとなる緩衝地域を作りたいのです。

ウクライナをベラルーシ化したいのです。

➀軍隊駐留  ➁関税廃止 ③パスポートも不要 にし、ほぼロシアの属国になるのではないでしょうか?

しかし、歴史的に見ればウクライナとロシアは同じ民族だよねという見方もあるわけです。プーチンはその考えの世論を味方につけているわけです。

第2にNATOには加入しませんと宣言をさせる

 

第3にユーラシア経済連合の加入させる

プーチンはソ連の時のような共同体を作りたい意識が強いです。独裁者、最高権力者を長くやったものは、圧倒的な支持率がなければ、弱体化したと思われれば、

恨みも相当な中成りあがってきているので、暗殺や失脚などさせられることが多い。

 

なのでプーチンは強いロシアで最高権力者として居座りたいのです。

国際秩序の変化

ウクライナを世界が助けなかったこの事実で国際秩序が大きく変化したことがわかります。

 

新冷戦時代 米中時代 から 米対中露時代に突入していくのではないかと予想されます。

核保有国が侵略を始めた時に、経済制裁で手打ちにしましょうという実例が今回できてしまった。

 

今までは国連が誰かの暴走を止めてくれると信じていたものが一気に崩れ去ってしまった。

経済的にも基軸通貨であったドルから中国、ロシア間ではユーロで取引を2020からしており、

ヨーロッパとしてもロシアと中国は経済的に大切な国なので、アメリカの孤立をねらっているのです。

 

常任理事国でもない、核保有国でもない国はこれから一体どうなってしまうのだろうか?もちろんその中の枠組みに日本はいるわけです。

 

まず台湾に中国が侵攻した時、世界は介入してくるのか?日本は尖閣諸島、北方領土問題もあります。

 

そして、中国、ロシアともに日本は隣国であるのです。日本の抑止力はもちろん日米安保条約ですが、アメリカはどのくらい守ってくれるのか?

 

日本の未来、世界の未来はどうなるのか?それは誰にもわかりません。

 

しかし、日本がウクライナのように侵攻されないとは言い切れないことも事実です。

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