4月9日さいたまスーパーアリーナで、WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(帝拳)が、IBF世界ミドル級王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と対戦する。
当初は昨年末に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期になっていた。
日本史上最大のビッグマッチ
この試合は日本ボクシング史上最大のビッグマッチである。
さいたまスーパーアリーナのリングサイド 一番高い席は22万
次が11万 7万7千 5万5千 3万3千 2万2千 1万1千 と高額な数字で刻んでいるが、
それでも完売してしまうというので、そのことはおわかりだろう。
その理由は、やはり対戦相手のゲンナジー・ゴロフキンだろう。
本場アメリカで圧倒的な知名度を持つゴロフキンは、2004年にアテネ五輪で銀メダルを獲得。2006年にプロデビューし、一撃で相手をノックアウトする強打を武器に破竹の勢いで勝ち進んだ。
2010年に初挑戦でWBA世界ミドル級王座を獲得し、19回の防衛記録を持つ。さらに23連続KO記録も持ち、ミドル級で3団体統一にも成功している。
現在、全階級でもっとも評価の高いライバル王者サウル・アルバレス(メキシコ)とは、1敗1分ではあるが、その試合もゴロフキンが勝利していたとの声も多く聞かれた。
全階級で最も強い王者を決めるパウンド・フォー・パウンドランキングでも上位に選出されている。
村田諒太の偉業
ゴロフキンが日本での試合に合意したのは、対戦相手となる村田諒太の功績だろう。
村田は、ロンドン五輪で日本史上2人目の金メダルを獲得しプロデビュー。日本人では体格的に難しいと言われるミドル級で、2度世界王座を獲得している。
高い身体能力と鉄壁のガード、相手を一発で仕留める強打を武器にこれまで勝ち進んできた。村田にとって、ゴロフキンとの対戦はキャリア最大の挑戦になる。
村田はプロデビューしたばかりの頃、ゴロフキンのトレーニングキャンプに参加した。無敗で圧倒的な強さを誇ったゴロフキンとスパーリングを重ね、その時からゴロフキンを意識し続けていたという。
数々の偉業を達成してきた村田が、この大舞台でどんな試合を見せるのかドキドキがとまらない。
試合展開予想
大方の予想はゴロフキンだが、村田にもチャンスがないわけではない。
まず村田は36歳になる年で引退をかけて戦うだろう。まずこのビックマッチを成立させた日本人として評価される。
それほどの人生を賭けた相手なので、モチベーションは高い。ゴロフキンはこの村田戦を通過点に考えているだろう。その差は大きい。
しかし、前回の試合から2年半空いているのは気になるところだ。ただしゴロフキン自体も1年半くらい試合していないので、そこはあまり気にしなくてもいいのかもしれない。
二人のスタイルは両方ファイタータイプであり、試合自体はかみ合うだろう。
ゴロフキンは数々のパンチを打つのが特徴だ。フックやアッパー、村田はどちらかといえば上下に打ち分ける正攻法のファイターである。
村田のディフェンスは、身体を左右に振ったり、スウェーをしたりするものではない。ブロッキングしていくスタイルだ。そこでプレシャーをかけていくパワーボクシングが果たしてゴロフキンに通用するかは疑問である。
ゴロフキンは打たれ強い。パワー主体で勝てるかどうかは蓋を開けてみないとわからない。効かせれればチャンスはある。
勝てる要素があるのは、ゴロフキンも40歳になる。キャリアのピークではない。スピード、反射速度、打たれ強さが落ちてくる年齢になってきているのも事実である。
ただ、生物的に化け物なので、村田が勝ったら空前絶後の勝利となるだろう。
さらなる高みへ
この試合の勝者は、次のステップに進める。
現在世界で一番の評価を持つサウル・アルバレスが、ゴロフキンとの対戦を望んでいるとの報道がある。カネロは、5月7日にWBA世界ライトヘビー級王者ディミトリー・ビボル(ロシア)に挑戦する。
その試合に勝つことが前提ではあるが、9月17日にゴロフキンとの3度目の対戦を予定している。
村田がゴロフキンに勝てば、一気にそのチャンスを掴むことになるだろう。カネロ陣営から以前、村田との対戦報道があったように可能性は十分にある。
ようやく決まったビッグマッチ、その先の話ではあるが、ファンとしては期待してしまう。
村田にとっては、ホームで試合ができるアドバンテージを活かして勝利を掴んでほしい。
コメント