ここは押さえよう 絶対合格!!第35回 社会福祉士国家試験「低所得者に対する支援と生活保護制度」編 ①

社会福祉士

貧困と格差

相対的貧困率・・・世帯員数を調整した一人当たりの可処分所得の中央値の50%未満の所得層が全人口に占める割合。

ジニ係数・・・0~1で示され、1に近いほど不平等(所得格差)がある。

貧困の罠・・・低所得者より公的扶助世帯が所得が上回り、公的援助を受け続けてしまうこと。

貧困の再発見・・・絶対的貧困から脱して、一般社会の平均や標準などの生活水準との比較による相対的貧困が取り上げられること。

貧困の連鎖・・・生活保護世帯で育った子供の4人に1人は生活保護を再び受けている

絶対的貧困の概念を提唱したのはラウントリー・・・ヨーク市の貧困調査、1次貧困線、2次貧困線。

タウンゼント・・・「相対的剥奪」という視点から、貧困・低所得者の生活問題の多様性・汎用性・複合性を提示。「相対的剥奪としての貧困」において、貧困の概念を社会の標準的な生活水準のレベルへと拡大。

ブースがロンドン市調査。

生活保護法の目的、基本原理、原則

日本国憲法第25条 『生存権』を保障するもの

生活保護における自立とは、経済的自立・日常生活自立・社会生活自立の3つ、その自立を助長する。

現在は水準均衡方式がとられており、これは生活保護で保障するべき最低限の水準を、一般国民の消費水準と比較して計算する方法である。つまり、一般国民の消費水準に合わせて、生活保護費が上下する。

「要保護者」とは、保護を受けていてもいなくても、生活保護を必要な状態の人も含まれる。

最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としている。

要保護者が急迫した状況の場合は、無申請でも必要な保護を行うことができる。

保護基準は厚生労働大臣が定める。

必要即応の原則とは、要保護者の年齢別、性別、健康状態などその個人または世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効かつ適切に行う。

民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、生活保護に優先して行われる。

補足性の原理とは、他法による救済などを優先し、なお不十分な場合に補足的に用いるというものである。

借金の有無にかかわらず生活保護を受ける事が出来る。

基本申請から保護開始まで、14日間だが例外的に30日間まで伸ばせる。

急迫している場合、資力調査を待たずに保護開始できることもある。

保護申請者や、扶養義務者の収入を調べる事ができる。

生活保護に係る施策との整合性に配慮して、地域別最低賃金が決定される。

生活保護法により、居住地がないか、又は明らかでない被保護者につき市町村が支弁した保護費、保護施設事務費及び委託事務費の4分の1を都道府県が負担、4分の3は国が負担する。

生活保護基準は、厚生労働大臣の名で5年に1回改定される。

現在の生活保護法成立前の公的扶助制度

恤救規則(1874)では、高齢者は70歳以上の就労できない者とされていた。

救護法(1929)では、居宅保護を原則、救護法における扶助の種類は、生活扶助、生業扶助、助産扶助、医療扶助の4種類

旧生活保護法では、勤労を怠る者は保護の対象ではなかった。不服申立ての制度は規定されていない。

生活保護法における扶養義務者

近年の法改正により、保護の開始の決定をしようとするときは、一定の扶養義務者に対する書面による通知を行う仕組みが導入された。

保護の申請ができるのは、要保護者、その扶養義務者、またはその他の「同居の」親族。

強い扶養義務が課せられているのは、夫婦と未成熟の子どもに対する親だけである。

被保護者に対して扶養義務者が扶養の義務を履行しないとき保護費を支弁した都道府県、市町村は、その費用の全部又は一部を、その扶養義務者から徴収することができる。

生活保護の実施機関は、家庭裁判所がこれを定める、直系血族及び兄弟姉妹に扶養義務を負わせることができる。

保護の機関 福祉事務所

都道府県と市は設置しなければいけない。町村は任意。

社会福祉主事は『都道府県知事又は市町村長の事務の執行を補助するもの』と規定されている。

権限委任されているのは福祉事務所長・・・都道府県知事又は市町村長の指導監督を受けて、庶務を掌理する。

査察指導員(社会福祉主事)の役割・・・所長の指揮監督を受けて、現業事務の指導監督を行う。管理的、指示的、教育的の3つがある。

現業を行う所員(社会福祉主事)・・・援護、育成又は更生の措置を要する者の家庭を訪問するなどして、生活指導を行う事務をつかさどる。所員の定員 都道府県は1人当たり65世帯、市は1人当たり80世帯、町村同じ。

事務員・・・所の庶務を行う。

生活保護法第19条第6項において、福祉事務所を設置しない町村は、その町村の区域内において特に急迫した事由により放置することができない状況にある要保護者に対して、応急的処置として、必要な保護を行うものとすると規定されている。

都道府県福祉事務所は、生活保護法・児童福祉法・母子及び父子並びに寡婦福祉法の3法に関する事務のうちのものを所管。

福祉事務所の指導監督を行う所員及び現業を行う所員は、社会福祉主事である必要がある。

都道府県の設置する福祉事務所数は、行政効率化などにより減少市区町村は増えている

現業を行う所員の定数は、被保護世帯数に応じて最低数が条例により定められている。

福祉事務所の所員の定数社会福祉法に定められている。

福祉事務所を設置していない町村は、被保護者に対して必要な指導又は指示をすることはできない。

福祉事務所の指導監督を行う所員及び現業を行う所員は、都道府県知事又は市町村長の補助機関。協力機関は民生委員。

生活保護の統計

生活保護費内訳・・・医療扶助49% 生活扶助31% 住宅扶助17%

高齢者世帯が5割を占める。単身世帯が8割を占める。

高齢者世帯の増加、介護扶助費も年々増加している。

貧困線は1999年が156万円から2014年には132万円と下降している。
2002年から2014年の所得再分配後のジニ係数は、ほぼ横ばいで推移している

2018年度の月平均、被保護実人員は209万6838人、被保護世帯は、163万7422世帯となっている。

リーマンショック後、2009年増加傾向続いていたが、2015年度より減少している。

2000年以降介護扶助人員は一貫して増加している。

母子世帯の割合は現在減少傾向。

生活保護費のうち、医療扶助費の占める割合が最も高い。

保護の実施機関は、被保護であった者について、保護を受けていた当時の雇主から報告を求める事が出来る。

保護施設

保護施設を設置できるのは、都道府県、市町村、地方独立行政法人、社会福祉法人、日本赤十字社

第一種社会福祉事業・・・最も多い救護施設(生活扶助)、更生施設(生活扶助)、授産施設(就業支援)、宿所提供施設(住宅扶助)

第二種社会保険事業・・・医療保護施設(医療給付)、無料低額宿泊所(簡易住宅貸付)、日常生活支援住居施設(R2.4新設)個別支援計画に基づいて必要な支援を行う。無料低額診療授業(低額診療)、無料低額介護保険施設利用事業、隣保事業(生活改善、向上)

母子休養ホームは、ひとり親家庭が余暇をとるための施設

低所得者支援

生活福祉資金貸付制度の一つである不動産担保型生活資金は、65歳以上の高齢者世帯を対象にしている。

無料低額宿泊所事業開始に当たっては、都道府県知事届け出なければならない。(社会福祉法)

無料低額宿泊所では、生活扶助と住宅扶助を利用する事ができる。無料低額宿泊所では宿泊のみ、または宿泊と食事を提供するところがある。社会福祉法人やNPO法人に限らず、民間事業者も運営をすることができる。

ホームレス支援に向けての実施計画を策定するのは都道府県である。

ホームレス緊急一時宿泊事業は生活困窮者自立支援法に基づく事業に移行された。

路上生活をしている半分以上が55歳から69歳まで。

日本の医療費の自己負担限度額

食費、居住費、差額ベッド代は高額療養費制度の支給の対象とはならない。

医療保険加入者が70歳未満である場合、二人以上の同一世帯で合算した月額の医療費の自己負担限度額が定められている。被保険者と被扶養者が同一の健康保険に加入していれば別住所でも世帯合算できる。家族が別々の医療保険に加入していた場合は、制度間では行えない。

医療保険加入者が医療家族が別々の医療保険に加入していた場合は、制度間では行えない。保険と介護保険を共に利用した場合、それらの費用を世帯で合算した年額の自己負担限度額が定められている。→これを高額医療・高額介護合算療養費制度といい、合算期間は8月から翌年の7月になる。

高額療養費の申請を受け付けた場合、受診した月から支給には約3ヶ月かかる。なお、高額療養費限度額適用認定証の手続きを行えば窓口では、自己負担限度額のみの支払いで済むようになっている。

高額療養費受給権利の消滅時効は、診療を受けた月の翌月の初日から2年。

生活保護の扶助の種類

介護扶助には、介護保険の保険料は含まれない。→生活扶助

生業扶助は自営業の設備費・運転資金や、仕事に就くために必要な技能を身につける費用、衣服などの購入など就職に関する支度費も含まれている。

生業扶助には、就職のための就職支度費が含まれる。

葬祭扶助には遺体の検案のための費用のほかに、死亡診断書の費用、運搬料、火葬料などが含まれる。

義務教育の就学に必要な費用は教育扶助の対象となる。

教育扶助には、小学生の子どもの校外活動参加のための費用が含まれる。

入学準備金は生活扶助の一時金に含まれる。

生活扶助基準第一類は、年齢別に基準が設定されている。 11区分

生活扶助

第1類・・・食費・被服費等の個人単位の経費年齢別に設定されている

第2類・・・光熱費、家具付器等の世帯単位の経費世帯人員別に設定されている

母子加算・・・母子世帯、父子世帯共に対応している。

一時扶助・・・一時扶助は、被保護者が出産や入学、入退院などをする場合に新しく保護を開始擦る時に、最低生活費のやりくりでは対応できない場合に一定額支給される。

医療扶助受給者の入院に係る傷病分類別構成割合のうち最も多いのは精神・行動の障害である。入院外は循環器系の疾患がトップ。

ホームレスの実態と支援

「平成24年ホームレスの実態に関する全国調査」によれば、収入のある仕事に就いている者は全体の60.4%、平成28年の調査でも55.6%となっている。

「平成24年ホームレスの実態に関する全国調査」によれば、路上生活をしている者について、55歳以上の者で7割を超えている。30歳~50歳までの者は半数を大きく下回っています。平成28年の調査では、55歳以上の者は8割に迫っており、30歳~50歳までの者は1割程度となっている。

「ホームレス自立支援法」による支援を受けている者も、生活保護法による保護を受けることができる。

厚生労働大臣および国土交通大臣→「ホームレス自立支援基本方針」に基づき、ホームレスの支援に向けて都道府県は、実施計画を策定しなければならない。

ホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター事業)は、生活困窮者自立支援法に基づく事業(一時生活支援事業)に移行された。

ホームレスは減少傾向

居住地の明らかでない者(住民登録された場所に住んでいない者)は、現在地を管轄する福祉事務所が実施責任を負うこと。

日本の公的扶助と公的年金保険の特質

生活保護は扶養義務者の扶養義務者の扶養優先を規定しているが、公的年金保険は扶養義務者の扶養を優先することなく給付される。

生活保護は世帯単位で給付されるのが原則。公的年金は個人に給付される。

生活保護は資力調査を行い、必要原則に応じて給付される。公的年金保険は被保険者の拠出量に応じて支給される。

生活保護は扶助の特性に応じて給付方法が決まり、公的年金保険は金銭給付

公的扶助は救貧的であり、社会保険は防貧的機能がある。

生活困窮者自立支援法

住居の確保を目的とした給付金を支給する制度が設けられている。

一時生活支援事業とは、住居を有しない生活困窮者に対して、宿泊場所の供与や、食事の提供を行う事業。

自立相談支援事業において、認定生活困窮者就労訓練事業のあっせんは行われますが、就職のあっせんまではしない。

就労準備支援事業で想定されている期間は、6ヶ月から1年程度。

家計相談支援事業では、必要な資金の貸付けのあっせんは行いますが、貸付けはしない。

「生活困窮者自立支援制度における支援状況調査集計結果(平成29年度)」(厚生労働省)によると、新規相談受付件数は年間23万件

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