承認欲求とは・・・
マズローの欲求段階という考え方においてはまず第一段階として人間は身体的な肉体的な欲求を満たしたいと考えます。
これは食欲、排泄欲、睡眠欲などが当てはまります。これらが満たされなければ生命の維持が不可能となります。
動物などはこのレベルの欲求水準で生きていることが多く、人間であればこの欲求段階にとどまるということは一般的には当てはまりません。
この次に安全欲求というものがあり病気や不慮の事故などの危険を回避したいという欲求です。
その後に社会的欲求があります。この社会的欲求は承認欲求と被って認識している方も多いのですが、こちらは他者、例えば知人や家族もしくは社会から受け入れられたいと思う欲求です。コミュニティに所属したい感情や愛情を受けたいというのはこれにあたります。
この次に来るのが承認欲求でこれは他者から賞賛されたい、評価されたいという欲求を表します。
最後に自己実現の欲求というものも存在します。
このように段階的に人間は欲求のレベルを変えていくと考えられています。
つまり今回のテーマでもある承認欲求という欲求が出てくるためにはその前の3段階の欲求はクリアしているということになります。
今、日本においてごくごく例外を除けば食欲や睡眠欲、また常に危険におびえているという方はいないと思います。
もしかするとブラック企業に勤めて睡眠欲を満たすことができていない方もいるかもしれませんが、そういった方は仕事を効率的にしたり転職することをおすすめします。
なぜ承認欲求が注目されているのか?
ここまで承認欲求とは何かということをお伝えしてきましたが、なぜ今こんなに承認欲求に関する分析がなされていたり嫌われる勇気のような本がバカ売れしているのでしょうか?
現代においてはこの承認欲求を増加させるツールが多すぎるということが大きな要因として考えられます。
このツールとはSNSのようなオープンな場所で自己表現をすることができるツールです。
そしてほとんどのSNSではいいねの数やシェアの数など見方によっては人気や注目度を可視化する、ものさしまでついてしまっています。
これかなり危険だと思っています。
どういうことかというと自分自身の承認欲求への向き合い方をきちんと制することができない場合、承認欲求モンスターになってしまいます。
これ皆さんもよく見ている現象だと思います。というか社会現象になっているくらいに、いいね欲しさにSNSにのめり込んだり、のめり込み過ぎて現実よりも仮想空間での自分を過度に重視するなどです。
モンスターに一度なったらなかなかこちらの世界に戻って来れません。
そういう人、周囲にいないでしょうか?
それほどまでに承認される評価されるということへの人間の欲求が強いということを示しており、こういった背景をもとに承認欲求という言葉が一種のネガティブフレーズのように機能してしまっています。
場合によっては承認欲求は捨てるべきだということまで言われています。
ですが、承認欲求は悪いものでもなんでもなく、捨てることができないと考えています。というのもマズローさんじゃないですが、人間の本能に組み込まれてしまっているからです。
ここを承認欲や捨てるべきだという考えに則って、物事を考えてしまうとかなり疲弊してしまいます。
承認欲求を敵視するのではなく向き合ってうまく付き合っていきましょう。
ここからは承認欲求とどう向き合うべきか、どう付き合うべきかというお話をしていきます。
ポイントは3つありますので順に解説していきます。
ポイント1 承認欲求を捨てるべきという発想を捨てる
1点目ですがまずはここまでお話ししてきたように承認欲求を捨てることは難しいことを知るべきです。知ることで何が変わるんだと思う方も多いと思いますが知ると冷静に自分自身を見ることができます。
今、自分がやっている行動は明らかに承認欲求から来ている行動だなとか、今、自分がもうやめだしているのはおそらく承認欲求が原因だななど、
こう思えることで、何となく嫌な気持ちになる状況は回避できます。
まずは自分の言動や行動、そして心の中での感情を冷静に見つめるということを行いましょう。
ポイント2 他者をコントロールできるはずなどないと知る
続いての2点目、一番重要。まず原理原則として他者はコントロールできません。
絶対に出来ません。当たり前のように感じるかもしれませんが、いざ実生活思い返して、悩みの種をちゃんと分解すると相手をどうにか変えようとしているケースよくあります。
変えようと何て思ってないと思っていても自分の感情の行方を相手の反応、言動、行動に委ねるというのはちょっと極端な言い方をすると他者をコントロールできるかどうかで測っているとも取れます。
何度も言いますが他者の行動はコントロールできないものなのでそこに対して評価の基軸を置いて一喜一憂するのはナンセンスです。
これで疲弊してきた人を何人も見てきたのでここは是非押さえてほしいポイントです。
もちろん自分の振る舞いなどに対する他者の行動や言動で自分自身の中で改善計画を立て、手段として利用するのは大いにありです。
というかほとんどの改善活動は自分のアウトプットに対する他者からのフィードバックをもとにやっていくべきです。やってはいけないのはその手段を結果と捉えて一喜一憂することです。
そこで止まらずに改善するのかその人と距離を置くのかとにかく次の行動のための判断に利用するのにとどめましょう。
他者の評価に対しては感情を抜き改善、もうこれだけです。
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ポイント3 自己評価するクセをつける
最後の3点目は自己評価する癖をつけることです。
どういうことかというと先ほどの2点目ともつながるのですが最終的な評価軸を自分自身の中に置きましょう。
自分自身がどう思うか、なにを思うかはコントロールできるものです。自分は変えることができます。
コントロールできる自己を対象にして自己受容をしていきましょう。
自己受容とはありのままの自分を受け入れるということです。これすごく綺麗事に聞こえるかもしれませんが超重要です。
似たような言葉に自己肯定がありますがそれは良い方向の時の自分を肯定してあげることです。
一方この自己受容というのは良い面も悪い面も受け入れるということでこの項目でお話ししている評価軸を自分の中に置くということにもつながります。
この自己受容できてくると他にもメリットが生まれてきます。それは異なる価値観を受け入れるようになれることです。
自己受容ができてくると自分のネガティブな部分も認め、悲観することなく受け入れるということができるようになるのでいちいち感情に振り回されることなく納得がいかないことに対してもとりあえず受け入れると考えられるようになってきます。
承認欲求のメリット
最後に1点他の欲求と同様本能的に備わってるにも関わらず、悪者にされがちの承認欲求によるメリットをご紹介しようと思います。
メリットというかこれも向き合い方の一種でもあるのですが、どうせ出てくる避けられないものなのであればとことん利用していきましょう。
どのように利用するかというと自分の行動のエンジンにするということです。何かを成し遂げたい設定した目標を達成したいのような熱い思いを持っている時に評価されたいと思う。
その本能的な感情をもとに行動しまくってください。
行動することが目的になってはいけないのですがこの承認欲求をエンジンに行動していきましょう。
モチベーションに頼り切った計画は破綻します。承認欲求でエンジンフルスロットルの時にとてつもなく大変な計画づくりをしていきましょう。
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