【羽生善治九段、天才伝説】現代の天才藤井王将と王将戦を戦う羽生善治伝説!!

将棋

羽生善治9×9の盤上にすべてを捧げた天才が集いし世界の頂点に君臨し、天才の代名詞としての扱いを受けてきた羽生善治九段

王将戦も2勝2敗と佳境を迎えていますね。

国民栄誉賞に代表される数々の偉大な功績を残してきた羽生さんですがこの半生を振り返ると天才という言葉が陳腐に感じるほどのまさに伝説的なエピソードで構成されています。

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将棋との出会い

小学1年生の時近所に住んでいた高木くんとラジコンやトランプなどいろいろな遊びをする中でたまたま将棋と出会います。

はっきり結果が出るというところに魅力を感じた羽生少年は将棋にのめり込むようになり2年生の秋
八王子将棋クラブに通い始めます。

しかし、いきなり連戦連勝というわけにはいかず、初戦は4級の小学生を相手に6枚落ちというハンデ戦でいい勝負でした。当時の八王子将棋クラブでは一番下を7級としていましたが席主の方が羽生少年に与えたのは14級。

まずはどんどん昇級して達成感を感じてほしいとの配慮からでした。

八王子将棋クラブでメキメキと上達した羽生少年は小学4年生の冬、第1回小田急将棋祭り小学生大会で優勝を果たします。

そしてその準決勝で対戦したのが後にプロの世界で好勝負を繰り広げることとなる森内俊之さんでした。

小学5年生になった羽生少年はプロ棋士の養成機関である奨励会への入会を志します。しかし道場の師範代を務めていた方から小学生将棋名人戦で優勝をすることという厳しい条件を突きつけられてしまいました。

しかし翌年の春に行われた大会で見事優勝。

そして奨励会入会試験も突破し華々しくプロ棋士への第一歩を踏み出したのです。

3人目の中学生プロ棋士

奨励会をわずか3年という驚異的な速度で駆け抜けた羽生少年は15歳2ヶ月でのプロ入りを果たします。

加藤一二三さん、谷川浩司さんに続く史上3人目の中学生棋士となったのです。

プロの世界には研究会といってプロ棋士や奨励会員でグループを作りそこで将棋の研究をするという風習があります。

 

その中に島研という島九段が主催する研究会がありました。

初代竜王の島九段をはじめ永世名人資格保持者の森内俊之九段と永世棋聖資格保持者の佐藤康光九段が所属していた伝説的研究会ですが、そこに羽生さんが招かれます。

同世代の将来有望な棋士が集まる研究会でしたが羽生さんはすでに頭一つ抜けた存在でなんと12勝1敗という成績を残します。

当時、島研では13勝1敗の成績を残した人にお金を渡すということになっていたのですが羽生さんの加入によりその規定が変わったのでした。それを聞いた羽生さんは何かを悟ったような顔をして分かりましたと答えるのみだったそうです。

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7冠制覇

羽生さんの偉大な記録の一つに7冠制覇というのがあります

当時将棋界には7つのタイトルが存在しており、その全てを同時に保持するというものです。

しかしこの記録のさらにすごいところは、その前年に7冠制覇に失敗しているということです。

1995年1月、6冠を保持していた羽生さんは最後の一つをかけて谷川王将の持つ王将位に挑戦しました。

しかし、結果は3勝4敗のフルセットで敗退。この時羽生さんはもう2.3年は7冠のチャンスは巡ってこないだろうと思ったそうです。

 

それもそのはず再び7冠に挑戦するということはすでに持っているタイトル6つ全てを防衛し再度王将戦の挑戦者になるためのリーグ戦を勝ち抜かなければならなかったからです。

しかし羽生さんはそれを成し遂げました。歴代5番目の高勝率となる年度勝率8割3分6厘という驚異的な成績を残した羽生さんは翌1996年に行われた王将戦に再び6冠王として登場し4連勝で王将位を奪取
夢の7冠制覇を達成しました。

また余談ですが7冠達成の1局となった第4局では風邪をひいてしまい39度の熱がある状態でさしていたそうです。

羽生さんと将棋

7冠制覇の5年ほど前、羽生さんが初めてのタイトルを獲得した頃に羽生さんは将棋はただのゲームであるという言葉を繰り返すようになりました。

 

今でこそ何の違和感なく受け入れられている言葉ですが当時の将棋界では半ば禁忌とされてきた発言だったのです。

というのもそれまでの将棋界においては、将棋は人間の総合力を集結したゲームというよりも道に近いものという考えが主流であり、将棋は人生だと言い切る大先生が何人もいたのです。

この中での羽生さんの発言は新時代の訪れを予感させるものだったのかもしれません。

突然ですが羽生さんは車の運転をしません。これは何もお付きの運転手がいるとかそういう話ではなく日常生活を送っているとふと将棋のことを考えてしまいそうなると周囲が見えなくなってしまい危険だからということです。

奥様である羽生理恵さんのツイートを紹介します。

自宅でも突然超集中モードに変わる。ごはん時でも旅行でも思考が宇宙にスイッチすると棋譜呪文をつぶやいててそれまでの会話を置き去り、『お父さん宇宙行ってるね』子供はあくまで父に優しい

これが職業病なのでしょうか何とも恐ろしいです。

そんな奥様との馴れ初めは雑誌の対談当時女優をしていた奥様は本当はムツゴロウさんと対談をする予定だったのですがムツゴロウさんの入院により急遽羽生さんに変更になったというなんとも運命を
感じる出会いでした。

交際は順調だったようですが、やはりここでも職業病。ある日奥様が羽生さんの家に遊びに行ったのですが、ちょっと待っててと言われ隣の部屋に入って行ってしまったそうです。

何か持ってくるのかなと思った奥様ですが待てど暮らせど戻ってきません。

結局は3時間後に戻ってきましたがなんとその間将棋の研究を行っていたそうです。

奥様のツイートをもう一つ紹介します

昨日久しぶりに数独の話になり、昔パリまで電話したよねと爆笑。昔娘の学校で数独の宿題が出て最難関レベルだけ母娘でどうしても解けず対局先のパリまで電話した。

5分ぐらいで電話するで3分で回答来た時は尊敬した。

羽生さんの頭の良さを垣間見ることのできるエピソードです。しかし当の羽生さんは数独は指の運動と言い放ったというのですから天才というしかないです。

チェスとAI

羽生さんの趣味の一つにチェスがあります。趣味と言ってもその実力は本物で2007年には日本でレーティング1位となっています。日本一の座にチェスの選手ではなく君臨したのですから何とも驚き
です。

また羽生さんは世界的に見ても相当な実力だそうでイデマスターという称号が授与されています。

2014年には伝説のチェスプレーヤー、カスパロフさんと対局をし敗れてしまったもののその能力の高さを示しています。

そして何よりも凄いのが羽生さんがチェスの定石を変えたと言われていることです。

これは2005年に指されたピーター・K・ウェルズさんとの対局で通常不利とされている黒番でグラウンドマスター相手に従来指されていなかった手を指して勝利したという何とも恐ろしいものです。

ところでこの対局を始めチェスの対局の多くは海外で行われ予算もそのために海外に赴くことがありました。

そしてそこで培われたのが英語力です。英語でのインタビューを難なくこなします。一般的に計算力や言語能力は左脳の働きによるものとされていますからあれほど将棋の強い羽生さんなら当然なのかもしれませんが、高いレベルの英語を話すことができるのは本当にすごいと思います。

また羽生さんはAIに精通していることでも知られています。例えばイギリス、ディープマインド社のα0というプロジェクトがサイエンスマガジンに論文を発表しました。

ディープラーニングという技術を用いて作られた人工知能がチェスや将棋などの世界に従来存在した
コンピュータープログラムを破るまでの過程についてが書かれていたのですがその中に羽生さんのコメントと羽生善治セレクトの棋譜が掲載されたのです。

これは将棋界のトップランナーであることはもちろん人工知能について造形が深い羽生さんにしかできない仕事です。

また1996年に行われたインタビューでコンピューターがプロ棋士を負かす日が来るとしたらいつ?という質問をされた羽生さんは他のプロ棋士が100年後、永遠に来ないと答える中で2015年という回答をしました。

電王戦というイベントでコンピューター将棋ソフトが初めて現役のプロ棋士を破ったのが2012年名人位を保持していた佐藤天彦九段が将棋ソフトに負けたのが2017年ですからほぼほぼぴったり正解したということになります。

またこの電王戦に羽生さんが出場するしないの話になった際、当時の将棋連盟会長米長邦男さんがもしコンピューターとどうしても戦わなければならなくなったらどういう条件で戦うかを羽生さんに聞いたそうです。

そこで帰ってきた答えはすべての棋戦を欠場して対策を立てますというもの。しかしそれはすべてのタイトルを放棄するということになります。

米長さんはそのために必要な対局料として7億800万円が必要になるとの試算を出しました

羽生さんがAIに対し相当な覚悟を持っていたということ、そして羽生さんの棋士としての価値の凄さが分かります。

発言

羽生さんの発言をいくつか見ていきます。

解説に呼ばれた羽生さんが自分も過去に同じ手を指したことがあると発言したのに対し同じく解説だった山崎隆之八段が、でもそれって3.4年前の将棋ですよねそんな前でもさっと思い出せるんですか?と返答すると2秒ほどの沈黙の後、羽生さんは『えっ!!』と当然のこと、何聞いちゃってるのという感じのトーンで返してみせました。

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