うちの長男が柔道を始めたのは、小学4年生のときでした。
当初はとにかく弱くて、試合に出ても負け続き。それでも一生懸命に練習に通っていました。そんな姿を見ていると、親としては「少しでも楽しく、力がつく環境であってほしい」と願うばかりでした。
小学生時代の柔道:話が長すぎる先生
小学生の柔道教室は、週に何度か2時間ずつ。けれど、そのうち1時間は先生の話でした。
技の説明、心構え、礼儀、柔道の精神──内容自体は大切なこと。でも、はっきり言って話が長くて、面白くない。子どもたちも途中で集中が切れて、ボーッとする時間が増える。
見ている親としても、「この1時間、もっと体を動かしてほしいなあ」と思うことが何度もありました。
中学での変化:指導スタイルが息子を伸ばした
中学に入ると、状況が一変しました。
練習時間は小学生のときよりも短く、わずか1時間半。それなのに、息子の実力はぐんぐん伸びていったのです。
理由は明確でした。指導スタイルの違いです。
中学の先生は、話は最小限。技をテンポよく見せたらすぐ実践、そしてその場で修正。「やって覚える」「動いて掴む」指導法。メリハリのある練習で、休憩も適度に入れつつ、集中力が切れない。
見ているこちらまで気持ちよくなるような練習でした。
教え方の違い:理屈 vs. 体感
「理屈で教え込む」か、「体で覚えさせる」か。
プロ野球で言えば、野村克也監督と落合博満監督の違いのようなものかもしれません。
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野村監督:理論・データ・言語化重視
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落合監督:「感覚」「見て学べ」「説明しない」スタイル
どちらも名将で、どちらが正しいということではない。それよりも、誰に・いつ・どの方法で伝えるかが大切なのだと改めて気づかされました。
息子に合っていたのは「体で覚える」スタイルだった
小学生の息子には、1時間話を聞き続ける力は正直ありませんでした。
「動く → 失敗する → 修正する → 身につく」
このサイクルの方が、楽しいし、手応えも感じられる。うまくいったときの喜びが自信にもつながる。
そして今、中学生になり、言葉での説明や抽象的な話も少しずつ響くようになってきています。
親としての本音と気づき
正直に言えば、こう思っていました。
長い話をするなら、せめて面白くしてくれ。
それができないなら、短くしてくれ(笑)
でも、あの“無駄に思えた時間”も、いま振り返れば息子の土台づくりの一部だったのかもしれません。
指導も子育ても、すぐには成果が見えません。だからこそ、つい「今」の効率や結果に目が行ってしまう。でも、きっといつか「あの時間があったから」と思える日が来るのかもしれない。
最後に:柔道が楽しい。それが何より
色々な思いはありますが、いま息子が「柔道が楽しい」と思えていること。それが一番の成果だと思っています。
これからも、いろんな指導者やスタイルに出会うと思います。そのすべてが、彼の成長に繋がるはず。
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