介護の仕事をしていると、「もっと早く準備しておけば良かったのに」と感じる場面があります。
今回は、実際に担当したケースを通して感じたことを書いてみます。
※個人が特定されないよう内容は一部変更しています。
入院中から分かっていた課題
認知症のある男性が入院されていました。
ご家族からは、入院中からこんな話を何度も聞いていました。
「夜は2時間おきにトイレへ連れて行かないと失禁してしまう。」
「この状態なら、自宅で介護を続けるのは難しい。」
「退院するなら施設を考えたい。」
病院でも夜間の失禁は改善しませんでした。
つまり、退院後も同じ状況になることは、ある程度予想できていたのです。
それでも自宅へ退院
退院の日を迎え、ご本人は自宅へ戻られました。
そして約1週間後、ご家族から連絡が入りました。
「やっぱり夜の介護が大変です。」
「施設を探してください。」
もちろん、ケアマネジャーとして施設探しは全力でお手伝いします。
でも、その時に私が率直に思ったことがあります。
「この状況は、退院前から分かっていたことではないだろうか。」
「家なら何とかなる」と思う気持ち
ご家族を責めたいわけではありません。
「一度は家に帰してあげたい。」
「もしかしたら家なら何とかなるかもしれない。」
そう思う気持ちは、とてもよく分かります。
実際に介護をしてみないと分からないこともあります。
しかし、病院で「自宅では難しい」と感じていた状況が、家に帰った途端に大きく改善することは、残念ながら多くありません。
施設はすぐには決まらない
「施設を探してください。」
そう言われても、施設は翌日から入れるとは限りません。
空き状況を確認し、見学をして、面談を行い、契約を進める。
いくつもの段階があり、時間がかかることも少なくありません。
だからこそ、入院中から退院後を見据えて準備を始めることが大切なのです。
介護は早めの相談が何より大切
介護は、頑張りすぎるとご本人だけでなく、ご家族も疲れ切ってしまいます。
限界を迎えてから動くより、「このままでは難しいかもしれない」と感じた時点で相談する方が、選択肢も増えます。
病院には医療ソーシャルワーカーがいます。
地域包括支援センターやケアマネジャーもいます。
遠慮せず、早めに相談してください。
最後に
介護には正解がありません。
在宅介護を選ぶことも、施設入所を選ぶことも、それぞれ大切な選択です。
ただ一つ言えるのは、困ってから動くより、困る前に準備を始める方が、ご本人にもご家族にも余裕が生まれるということです。
今回の出来事を通して、改めて「退院支援」と「早めの準備」の大切さを感じました。
もしこの記事が、これから介護をされる方や、ご家族の今後を考えるきっかけになれば嬉しく思います。


コメント