【社会福祉士試験】合格後の登録手続き
合格証書が自宅に届いて安心してはいけません。
「社会福祉士と名乗るには正式な登録が必要」です。
そのまま放置していては、真の社会福祉士にはなれません。
手続きを学んでいきましょう。
社会福祉士の登録手続き完全ガイド
まず、合格証書と一緒に資料が届きます。
・合格証書等の交付について(お知らせの一枚紙)
・社会福祉士の職能団体について(社会福祉士会加盟を促す一枚紙)
・登録手続きに必要な申請書とか申請書とか手引とか返信用封筒とか
・社会福祉士「新規登録の手引」・・・手続きには一番大切な冊子です。
登録申請には戸籍抄本か、本籍地表示のある住民票が必要
申請するにあたり「戸籍抄本」「戸籍の個人事項証明書」
「本籍地を記載した住民票」のいずれかが必要です。
この提出書類で重要なのは、本籍地なので、窓口で手続きする際に、「本籍地の表示がある住民票」と言ってください。
手数料と登録免許税も必要!
続いてお金の関係です。
支払いが必要なのは2種類。
登録手数料(¥4050)と、登録免許税(¥15000)。合計19050円。
この二つは、それぞれ支払い方法が違います。
まず登録手数料は、自宅に送られてきた書類一式の中に、払込用紙が入っています。
そして登録免許税は、郵便局で同額分の収入印紙を買うことで充当します。
手引には「収入証紙と間違えないように」とくどいくらい書かれているので
間違えないように注意しましょう。
どちらにしても、郵便局で「収入印紙ください」と言えば間違えありません。
必要に応じて社会福祉士登録申請書を修正
自分の住所・氏名・本籍地などがすでに印字してあって、必要な部分だけ自分で記入する仕組みになっています。
もし訂正がなければ、日付の記入と自分の署名をするだけです。
訂正があれば必要箇所に記入してください。
提出は簡易書留で!
所定の返信用封筒に必要な書類をすべて入れたら、
封をする前に裏面のチェックリストで漏れがないか確認!
間違いがなければ封入をして、
再び郵便局にいって、送達の記録が残る簡易書留で送りましょう!
これであなたも社会福祉士の仲間入りです。
1.社会福祉士とは
社会福祉士は、社会福祉業務における国家資格です。
「社会福祉士及び介護福祉士法」では以下のように定義されています。
・簡単に言うとどんな資格?
社会福祉士は、様々な理由により日常生活を送ることが困難になったクライアントの相談に応じ、助言や指導をおこない、福祉サービスや保健医療サービスとの橋渡しをします。
社会福祉士は国家資格ですが、医師、看護師、弁護士などのような「業務独占資格」ではなく、「名称独占資格」です。
そのため社会福祉士以外でも上記の業務につくことはできますが、資格を保有していなければ「社会福祉士」を名乗ることができません。
2.社会福祉士の仕事内容/働く場所は
様々な社会福祉サービスとクライアントを繋ぐ社会福祉士は、福祉施設・学校・行政機関・病院など、様々な場所で活躍することができるのが強みです。
社会福祉士の活躍の場について、それぞれ見ていきましょう。
・福祉事務所
福祉事務所は、市区町村における役所などで社会福祉行政の中心を担っている機関です。具体的には、福祉六法(生活保護法・児童福祉法、母子及び寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法)に関わる支援や更生における事務業務に携わります。
福祉事務所で働く場合は公務員という扱いになるため、公務員試験に合格する必要があります。
また、こうした福祉事務所に配置される社会福祉主事の任用資格のひとつに、「社会福祉士」が含まれます。
・児童相談所
児童相談所は各都道府県や政令指定都市などに設置されています。児童福祉における専門機関のため、児童虐待・子どもの発達・非行・不登校などに関する相談に応じます。保護者による虐待などの緊急時には、児童の安全確保のため一時保護もおこないます。
児童相談所で働く場合は「児童福祉司」と呼ばれ、福祉事務所と同じく公務員となります。
・学校
学校においては、子どもたちの相談を受け、必要に応じて児童相談所や教育委員会などへの連絡・調整をおこなう、スクールソーシャルワーカーとして活躍する社会福祉士がいます。
スクールカウンセラーとの違いは、生徒本人へのカウンセリングをおこなうだけでなく、その周囲の環境要因(家庭など)にも働きかけていく点です。
・高齢者福祉関連施設
高齢者福祉に関連する施設はデイサービスセンターや特別養護老人ホームなど多様な形態があり、多くの社会福祉士が活躍しています。社会福祉士の役割の一例としては、「生活相談員」として利用者本人やそのご家族との相談に応じたり、他職種や関係機関との連絡・調整などがあります。
・障害者福祉関連施設
障害者福祉サービスにも様々な形態があり、代表的なものとして就労継続支援施設やグループホームなどがあります。社会福祉士は「生活指導員」などとして配置されることが多く、身体障害や精神障害を抱える方が社会の一員として生活できるよう、自立訓練や就労支援をおこないます。
・社会福祉協議会
社会福祉協議会は地域福祉サービスの充実と推進、福祉コミュニティづくりの中核的な役割が期待されている組織です。社会福祉法によって定められている団体ですが、民間によって運営されているため、働く職員は公務員ではありません。
社会福祉士は、その地域での福祉課題を正確に把握し、関係者や関係機関と連携して課題解決に向けて取り組みます。社会福祉協議会の活動内容は地域によって多岐に渡るため、詳細は各自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。
・医療機関
病院をはじめとする医療機関で働く社会福祉士の多くは、「医療ソーシャルワーカー(MSW)」として活躍しています。医療ソーシャルワーカーは、患者本人やその家族の悩みや課題に対して相談に応じ、適切な支援をおこないます。
・司法関係機関
近年、少年院・更生保護施設・地域生活定着支援センターなどの司法関係機関での社会福祉士の活躍が期待されています。背景には、受刑者の高齢化・児童虐待の増加などがあげられます。出所者に対して円滑に社会福祉サービスを繋ぐことで、再犯リスクを軽減させていく狙いがあります。
・独立型社会福祉士事務所
利用者との契約に従って権利擁護(成年後見人など)や介護保険に関する業務をおこない、利用者から直接、もしくは第三者から報酬を得ます。社会福祉士として独立開業し、組織に属することがないため仕事の幅の制限が少なく、より個別具体的な支援が可能となります。
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3.社会福祉士になるには
社会福祉士になるためには、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが実施する「社会福祉士国家試験」に合格して、社会福祉士として登録する必要があります。
3-1.国家試験の受験資格
国家試験を受験する方法は以下の通りです。
- ・4年制大学で指定科目を修めて卒業
- ・2~3年制の短期大学等で指定科目を修了したのち、1~2年以上の相談援助業務に従事
- ・社会福祉士短期養成施設(6ヶ月以上)を卒業
- ・社会福祉士一般養成施設(1年以上)を卒業
さらに細かく分けると、以下のように12ルートに分けられます。
3-2.国家試験の難易度・合格率
社会福祉士国家試験の合格基準は「総得点の60%程度」です。総得点は150点なので、90点程度が合格基準となります。そこから毎年難易度によって補正が入り、近年の合格基準点は85点~90点前後を推移していました。
2020年に実施された「第32回社会福祉士国家試験」の結果は以下の通りです。
試験日:2020年2月2日(日)
合格発表日:2020年3月13日(金)
受験者数:39,629人
合格者数:11,612人
合格基準点:88点
合格率:29.3 %
近年の合格率は25~30%前後で推移しており、約10人に3人しか受からない難関試験です。同年に実施された精神保健福祉士が62.1%、昨年に実施された介護福祉士の合格率が73.7%でした。社会福祉士の出題範囲は介護福祉士や精神保健福祉士に比べて広範囲なこともあり、福祉職の国家試験では最難関といえます。
4.社会福祉士の給料(年収)
厚生労働省の発表した「平成27年度 社会福祉士及び介護福祉士就労状況調査結果概要」によると、社会福祉士全体(性別・雇用形態問わず)の平均年収は377万円でした。正規職員で絞ってみると、男性は454万円で女性は380万円となりました。また、年齢に比例して年収も高くなる傾向にあり、50代がピークで475万円でした。
5.最後に
近年、日本では児童相談所に寄せられる児童虐待の相談件数が著しく増加しています。そのため政府は、児童虐待防止の対策として児童相談所の「児童福祉司」の数を2022年までに、約5,200人まで増やすプランを策定しました。この方針が決定された2017年時点での児童福祉司の数は3,250人だったため、約1.6倍になります。
児童虐待相談件数の伸び幅から考えると、児童福祉司の数はそれでも足りないとされています。厚生労働省の調べによると、児童福祉司のうち約30%が社会福祉士の資格を保有しており、今後はさらに社会福祉士の需要が増えていきそうです。
高齢者や児童をはじめとする、社会的に立場の弱い方々をサポートできるのが社会福祉士です。社会福祉士は福祉における課題解決において、大きなポテンシャルを持っている職業といえるでしょう。
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