あなたの職場にも、いませんか?
なぜか気になるのに、距離感がまったくつかめない人。
私の職場にも、ひとりいます。
年上だけど、僕よりも早く来て、僕よりも仕事が終わっていない。
存在感は薄いのに、なぜか目が離せない。
今日はそんな「謎の存在」の話をしようと思います。
◆ 毎朝1時間半前に出勤する人
まず何より驚くのは、彼女の出勤時間。
始業の1時間半前には、もう席についているんです。
誰もいないフロアに、ぽつんとひとり。
まるでお店の開店準備でもしてるかのような静けさ。
でも何をしているのかは、誰も知らない。
というか、仕事がめちゃくちゃ早いわけでもない。
むしろ、3か月前の記録もまだ終わっていないらしくて…。
同僚たちともよく話すんです。
「あの人って、朝のあの時間に何してるんだろうね?」
本当に、謎なんです。
◆ デスクの上は“緑茶の祭壇”
彼女のデスクをよく見ると、ペットボトルの緑茶が10本以上並んでいます。
利用者さんからもらったものらしいのですが…。
お供え物か?っていうくらい、静かに整然と並んでる。
誰かの信仰対象になってるんじゃないかってくらい整ってて、逆に怖い(笑)
◆ あいさつしても、反応ゼロ
あいさつしても、基本的に返ってきません。
目も合わない。声をかけても、完全スルー。
まるで職場に紛れ込んだ**喋らない系NPC(ノンプレイヤーキャラ)みたいな存在感。
感情がないわけじゃなくて、“感情が表示されない”**というタイプ。
あれはあれで、ある意味すごい。
◆ 外見は「回避力に全振り」タイプ
細身でスラッとしてて、シュッとした見た目。
胸もお尻も控えめで、なんとなく「攻撃力より回避力に全振りしたキャラ」って感じなんです。
そして、マスクを外すとちょっと出っ歯ぎみ。
口元が「シャーッ」ってしてて、猫が威嚇するときの顔に似てる。
…クセになります。
◆ 仕事はできない。でも、怒られない
記録はたまり、締切は遅れ、フォローにも気づかない。
正直、仕事の要領は良くない。
なのに、なぜか誰からも怒られない。
そして、ちゃんと毎日出勤して、席に座ってる。
僕たちの間ではよく言うんです。
「逆に、あれで生き延びてるって、実は頭いいんじゃない?」
まあ、たぶん気のせいなんですけど(笑)
◆ でも、ちょっと自分にも似てる気がする
そんな彼女を見ていると、ふと思うんです。
同じ職場で、同じような仕事をしてるということは、
自分も彼女とそこまで変わらない人生を選んでいるのかもしれないなって。
「見てるこっちは笑ってるけど、実は同じ穴のムジナなんじゃないか?」
そう思う瞬間があるんです。
◆ 嫌いになれない。不思議な愛着
出っ歯でも、あいさつしなくても、緑茶を崇めていても──
なぜか嫌いになれない。
むしろ最近では、出勤するとふと**「今日も来てるかな?」**って、
彼女のデスクをチラッと見てしまう自分がいます。
うざいけど、気になる。
不思議だけど、なんか憎めない。
そんな同僚がひとりいるだけで、
職場ってちょっとだけ面白くなるものです。
きっと明日も、彼女は始業の1時間半前には、
誰もいないフロアにぽつんと座っているんだと思います。
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