人の心理学の理解
脳の構造と機能
問1. 前頭葉は、計画、判断、評価、創造などの高次精神活動に関係する。
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〇 前頭葉は実行機能を司り、脳全体の「司令塔」や「オーケストラの指揮者」にたとえられる。
問2.前頭葉は身体位置の空間認識に関係する。
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✖ 頭頂葉が身体位置の空間認識に関係しており、その他、痛み、温度、圧力の感覚にも関係している。
問3.前頭葉は聞こえた音を識別する聴覚機能に関係する。
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✖ 側頭葉が聞こえた音を識別する聴覚機能に関係している。
問4.後頭葉は、視覚と眼球運動に関係する。
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〇 後頭葉に眼球運動と視覚機能に関係する視覚中枢があり、色や形の視覚情報の処理に関係している。
問5.前頭葉は、情動調節や記憶形成に関係する。
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✖ 扁桃核が情動の調整とそれに伴う身体反応(心拍、血圧、筋肉の緊張等)の生気に関係している。また、海馬が記憶形成に関係しており、一時的に記憶を保管する部位である。
問6.一般的な睡眠経過では入眠時にノンレム睡眠がみられ次にレム睡眠が出現する。
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〇 ノンレム睡眠、レム睡眠というパターンが一晩の睡眠(6~8時間)で4~5回繰り返される。ただし身体が非常に疲れている場合などは、いきなりレム睡眠に入ってしまうこともある。
気分
問7.気分が生起した原因は曖昧である。
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〇 気分の生起した原因を厳密に特定することは難しい。
問8.気分は、はっきりとした生理的な反応を伴う。
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✖ 気分の多くの場合、ハッキリとした生理的反応を伴うことはない。
問9.気分は、急激に生起し数秒間で消失する。
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✖ 気分は、多くの場合に穏やかに生起し、持続的である。
問10.気分の典型例は怒りである。
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✖ 気分の典型例は、そう快(高揚)と抑うつ(落ち込み)である。
問11.情動は表情にはっきりと表れやすい。
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〇 情動は急激に生起して表情の動きにも強く影響する。
マズローの欲求階層説
問12.マズローによれば、承認又は自尊心の欲求が満たされれば人は安堵感を覚え、その後に不安や不満、または新たな欲求が生じることはない。
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✖ 承認の欲求が満たされると、さらに最も高次である自己実現の欲求が生まれるものとした。マズローは、人間は常に欲求に向かって成長するものであり、自己実現に向かうように動機づけられていると特徴づけた。
問13.音楽家は音楽を作り、画家は絵を描くように、人間は自分のなり得るものになりたいという欲求を持つ。マズローは、これを自己実現の欲求と呼んでいる。
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〇 自己実現の欲求は、あるべき自分になりたいと願い、自分の才能や能力、可能性を最大限に引き出し実現しようとする欲求のことである。
問14..達成動機の高い人は、自分が取り組んだ課題に失敗すると、その原因を運などの外的要因のせいにする。
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✖ 達成動機が高い人は自分が行った課題に失敗した際、自分の努力が足りなかった(内的要因)と考える。
内発的動機づけと外発的動機づけ
問15.人前で楽器を演奏することが楽しくて、駅前での演奏活動を毎週続けた。これは、内発的動機づけによる行動である。
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〇 人前で楽器を演奏することで外部からの報酬は受け取っていない。外部に左右されずに自分自身の内部から沸き起こることで、意欲が高まっているため、内発的動機づけによる行動である。
問16.お小遣いをもらえる事が嬉しくて、玄関の掃除を毎日行った。これは内発的動機づけによる行動である。
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✖ お小遣いは、外部から受け取る報酬でありそれを得る事で、玄関の掃除を毎日行う意欲が高まっている為、外発的動機づけによる行動である。
原因帰属
問17.試験に失敗した時に生じる「勉強不足に原因がある」という原因帰属は内的帰属にあたる。
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〇 勉強不足は、自分の行為の結果であり、内的帰属にあたる。
問18.試験に失敗した時に生じる「問題が難しかったことに原因がある」という原因帰属は内的帰属にあたる。
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✖ 試験の問題が難しいのは、試験を作成した他者の行為の結果であり、外的帰属にあたる。
感覚・知覚・認知
問19.目という感覚器官によって光を感じ取る場合、この刺激を適刺激という。
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〇 感覚器官が感じ取ることができる刺激を適刺激と呼ぶ。目ならば光や色や大きさであり、耳ならば音であり、鼻ならばにおいである。
問20.明るい場所から暗い場所に移動すると、目が慣れるのに時間がかかる。これを明順応という。
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✖ 明るい場所から暗い場所=暗順応、暗い場所から明るい場所=明順応の2つがある。
問21.形として知覚される部分を地、背景となる部分を図という。
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✖ 背景が地、形として知覚される部分が図という。
問22.コップの飲み口を斜めから上から見ても丸く見える。これを形の恒常性という。
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〇 知覚の恒常性には、形、大きさ、明るさ、色等がある。
問23.大きさの恒常性とは、網膜に映し出されたとおりの大きさを知覚することである。
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✖ 大きさの恒常性とは、網膜に映し出された大きさとは異なる大きさを知覚することである。
問24.中空にある月より地平線に近いつきの方が大きく見える。これは錯視による。
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〇 ポンゾ錯視と呼ばれる現象である。地平線や水平線の近くにある月や太陽は大きく見える。
問25.体制化における閉合の要因は、錯視の一つである。
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✖ 体制化とは、実際にある刺激をまとまりとして知覚することで、目の錯覚ではない。
問26.電光掲示板の動いているように見える。これは近接の要因による。
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✖ 設問は仮現運動の説明である。変化する静止画を連続して呈示すると、動画のように運動して見える。
問27.風景を眺めていると奥行きを感じる。これは知覚的体制化による。
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✖ 奥行き知覚の説明である。写真やテレビ画像等の平面をみても、奥行き知覚が生じて立体に見える。
学習・記憶・思考
問28.いたずらをしている子どものゲーム機を取り上げたら、いたずらをやめた。これは、オペラント条件づけにおける、正の強化である。
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✖ 刺激除去(ゲーム機を取り上げる)による行動(いたずら)の減少・消失は負の罰である。
問29.宿題をやってくるたびに褒めていたら、宿題を忘れずにやってくるようになった。これは、オペラント条件づけにおける、正の強化である。
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〇 強化とは行動が増大することであり、刺激提示(褒める)による行動(宿題を忘れずやる)の増大は、正の強化である。
問30.授業中、勝手に話をしていた生徒を叱ったら、私語がなくなった。これは、オペラント条件づけにおける正の罰である。
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〇 刺激提示(叱る)による行動(私語)の減少・消失は、正の罰である。
問31.デイサービスで嫌な思いをした高齢者がデイサービスを休むようになった。これは、オペラント条件づけにおける正の強化である。
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✖ 刺激提示(高齢者に嫌な思いをさせること)による行動の減少・消失は、正の罰である。
問32.好きな曲が流れているテレビCMの商品に好感を持つようになった。これは、オペラント条件づけにおける正の強化である。
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✖ 設問はレスポンス条件づけの具体例である。この条件づけでは刺激提示(好きな曲とCM)により反射的な行動が増大する。
問33.同じ大きな音が繰り返されるにつれて、驚愕反応が小さくなったのは、馴化による行動である。
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〇 同じ大きな音を繰り返し聞いているうちに、最初にびっくりした反応を示したが、次第に音に慣れてきて驚愕反応が減少したという馴化による例である。
問34.乳児に新しいおもちゃを見せたら、古いおもちゃよりも長く注視したのは、馴化による行動である。
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✖ 設問は、乳児の新奇選考の例である。一方成人にはなれた刺激を好んでみる認知選好があり、乳児の視覚の特徴と異なることがわかっている。
問35.うまくできたら褒めることで、ピアノの練習に取り組むようになったのは、馴化による行動である。
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✖ 設問は学習におけるオペラント条件づけの正の強化の例である。刺激提示(褒める)によって望ましい行動(ピアノの練習に取り組む)が増大したので、これを正の強化という。
問36.食あたりした後に、その食べ物を見るだけで吐き気がするようになったのは、馴化による行動である。
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✖ 学習におけるレスポンデント条件づけの一種である。刺激に嫌悪刺激(食あたり)が用いられており、この刺激よりネガティブな情動(吐き気)が条件づけされたといえる。これを食物嫌悪学習と呼ぶ。
問37.孵化し首をのぞかせたハイイロガンは、最初に凝視したものを親だと思い込み、凝視したものの後追い行動を始めた。これは洞察学習である。
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✖ 設問は刷り込みに関する記述である。刷り込みは、経験や練習など後天的に獲得するものではなく、生得的なものであるとされている。
問38.檻に入れられたネズミが、檻の中にあるレバーを押すとエサが出る事を知った後、ねずみはレバー押し行動を増加させた。これは洞察学習である。
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✖ 設問はオペラント(道具的)条件づけに関する記述である。
問39.大人が人形を攻撃した後にほうびをもらう画面の映像を幼児に見せると、人形などのおもちゃのある部屋にいる、その幼児の行動は、より攻撃的になった。これは観察学習である。
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〇 直接経験することがなくても観察するだけで行動を学習するというバンニューラの考え方は社会学習理論と呼ばれている。
問40.観察者はお手本(モデル)となる他者の行動を観察することで、新しい行動を獲得したり、既存の行動パターンを修正する。これを系統的脱感作法という。
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✖ 設問は、モデリング(観察学習)に関する記述である。
問41.狭い箱に入れられた猫は脱出しようとして色々試みたが、紐を引っ張ると出口が開くことを覚えた後は、箱に入れられるとすぐに紐を引っ張った。これは洞察学習である。。
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✖ 設問は試行錯誤に関する記述である。
問42.試行錯誤とは、問題解決のための方法を一つひとつ試して、成功する手法を探していく思考法である。
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〇 生物が問題に直面してすでに学習された方法だけでは解決できない場合、さまざまな方法を一つひとつ試していくうちに解決に至ることを試行錯誤ないし試行錯誤学習と呼び、ゾーンダイクが提唱した。
問43.檻の中で天井に吊るされたバナナを取りたいチンパンジーは、すぐさま箱をバナナの下に引き寄せ、その上に登って、手にした棒でバナナを叩き落とした。これは洞察学習の例である。
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〇 ケーラーは、実験時のチンパンジーの様子から、学習は試行錯誤だけではなく、一瞬のひらめき(洞察)によって成立するのではないかと結論付けた。
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