なぜ現代人は結婚できなくなったのか?【未婚問題と少子化問題】

生活・社会

昔は結婚できていたのに、今の人は結婚できなくなった。あるいは結婚しなくなった理由

 

日本の未婚率は上昇中です。50歳以降に結婚する人は少ないから50歳の時点でこれまでに一度も結婚したことのない人の比率を生涯未婚率と言います。その数字が上がり続けているんです

未婚率は5年ごとに調査されていて最新の2024年のデータでは、男性の生涯未婚率がおよそ28%で女性がおよそ18%になっています。

現時点の生涯未婚率は20年前30年前に若者だった人たちのデータなので今の若者が50歳になった時の生涯未婚率はおそらくもっと高くなるだろうと予想されます。

1980年から90年は未婚率が5%を切っています。

一昔はつまり50年代から60年代に20歳だった人たちは95%以上が生涯に少なくとも一度は結婚できていたということです

社会全体の95%もの人たちがみんな結婚できていた。なんて今となっては想像しがたいような状況です。

昔は結婚するのが当たり前と言えるような社会でした。

今の社会の前提になっている考え方は、結婚するかどうかは個人の自由というもの。

だけど結婚するかどうかはともかく、少子化は社会の存続にとって重要な問題なので長期的にはその問題を避けることができません。

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結婚に関して、人間には子孫を残す本能があるはずなのに結婚できなくなっている!?

結婚という社会制度は、我々に遺伝的に備わっている本能を歪めて生殖を強く勧める仕組みのものだからです。

そもそも結婚という制度は人間の本能的幸福を重視するものではないのです。

サピエンス全史という本の内容を参考にしたいと思います。

サピエンス全史の序盤ではなぜ我々ホモサピエンスという種が現代のような社会を築き上げるくらい主として大きく成功したのかその理由について説明しています。

ホモサピエンスが主として圧倒的に成功した理由は、嘘を信じるようになったことだったと述べています。

以前のホモサピエンスは、他の自然生物と比べてもそこまで強い種ではなくサバンナでひっそりと暮らしていました。

でも突然ホモサピエンスの脳にちょっとした変化が起こって、嘘フィクションを信じるようになります。

そしてその変化によってホモサピエンスは他よりも圧倒的に強い種に変化しました。

サピエンスの強さの理由はフィクションを信じることによって遺伝子の外側にあるものの影響力を受けやすくなったことにあります。

フィクションを信じてしまうというのは、固体レベルでは必ずしもポジティブな変化ではないです。

理屈に合わないものを信じてしまうというのは現代の合理的な見方からするとむしろ頭が悪いとされやすいような欠点です。

ただ集団としてはフィクションの影響を受けやすいことはものすごい強さにつながります。変化がめちゃくちゃ速くなるからです。

自然な生物は遺伝子によって行動パターンを変化させます。ただ遺伝子を介した変化は遅いです。

何世代も個体をまたぎながら少しずつ変化するのが遺伝子です。

一方でフィクションによる変化って遺伝子を返さないからめちゃくちゃ早いです。

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フィクションに強く影響を受けるホモサピエンスは信じる者が変わりさえすれば、それによって行動パターンも変わります。

この特徴が主という集団の単位では突出した強みになりました。

変化が早いってことはトライ&エラーの回数が多いってことです

サピエンスと他の種が戦った場合たとえ最初の方にほとんどのサピエンスが負けても一度サピエンス側が勝てる行動パターンみたいなものを発見するとサピエンスの場合それがすぐに伝播します。

遺伝子を介して変化する必要がないので、集団を強くするようなフィクションが他のサピエンスにもすぐに伝わっていきます。

そうなるとやがて勝てる行動パターンを備えたサピエンスばかりになります。

サピエンスの強さの要因は遺伝子の外部にあるものの影響を受けやすく、それゆえに遺伝子を介さないスピードで変化できることにあるのです。

サピエンスという種の事情は、遺伝子の外部である社会制度によって、ごく短期間のうちに飛躍的に発展したことにあります。

基本的に我々が何に幸福を感じるかは遺伝子本能に規定されていることが多いです。

一方で社会制度は、たとえそれがサピエンス個人の本能的な幸福に反するものであってもそれを採用した集団を強くするならば受け継がれていきます。

本能的幸福に反するけど集団を強くする故に尊重されてきた制度が結婚です。

つまり結婚すると幸せになれるから結婚が大事ということではないのです。

結婚という制度が今の社会に根付いていて、それが重視されている理由は単に過去に結婚のような社会制度を採用した集団の方がそれをしなかった集団よりも生き残りやすかったからです。

本能的には女性は決められた男性と結婚するよりも、より強い遺伝子の男性を選別して子孫を残そうとしたかもしれないし、男性は集団に協力的になるよりも自分がより優れた個体だと主張するために力を誇示したいのかもしれません。

でもそのような自然な本能を重視するような集団はおそらく結婚のような制度を備えた集団に滅ぼさ
れるなどして生き残ることができなかったと考えられます。

結婚という社会制度は女性の本能を短期的に否定して、男性の本能を長期的に否定するという形に
なっています。

若い時期の女性は本能的にはもっと相手をより好みしたいと考えます。一方男性は年齢を経て性的魅力を失った女性とは離れたいと本能的には感じます。

そういった本能を否定して男女の長期的な契約を成立させるのが結婚という制度なんです。

現代になって結婚という社会制度が否定されるようになってきているのは、現代はサピエンス個人に自然に備わっている遺伝子に規定される本能的幸福が重視される社会になってきたことを意味します。

一方でサピエンスの強さの源泉が本能ではなく社会制度にある以上はそれを否定すると社会は衰退していきます。

社会制度を否定するというのは自然に戻ろうとしているようなものなので、社会は成り立たなくなっていきます。

実際に個人の本能的な幸福を重視するようになった社会は、少子化が進んで存続が危ぶまれるようになっています。

だから、日本人の他人を思いやる心、利他の精神を思い出すことが大切なのかもしれません。

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