一問一答 絶対合格!!第35回 社会福祉士国家試験「心理学理論と心理的支援」編③

社会福祉士

 人の成長・発達と心理

発達段階

問1. ピアジェの認知発達理論では、体積や量の保存の概念は、感覚運動期に獲得される。

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✖ 保存の概念が獲得されるのは具体的操作期(7~12歳頃)。数や重さ、体積や量は、形や位置などの見た目が変わっても一定であるという事を保存の概念という。

 

問2.ピアジェの認知発達理論では、自己中心的な思考は、形式的操作期に発達する。

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✖  自己中心的な思考は前操作期(2~7歳頃)の特徴。

 

問3.ピアジェの認知発達理論では、抽象的な論理的思考は、形式的操作期に発達する。

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〇 形式的操作期になると、抽象的な思考が可能になる。

 

問4.ピアジェの認知発達理論では、可逆的な操作は、具体的操作期に可能となる。

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〇 可逆的な操作とは、対象を操作した後、元に戻せば同じになるというときの操作を考えられることを指す。

 

問5.ピアジェの認知発達理論では、対象永続性は形式的操作期に獲得される。

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✖  対象の永続性は感覚運動期(0~2歳頃)に獲得。

 

問6.乳児期にみられる社会的参照は、新奇な対象に出会ったときに母親など関与者の表現を手がかりにして、自分の行動を決める現象である。

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〇 乳児期の子供が社会的参照を多く行い、対応や判断を委ねる人物えを、一般の他者と区別して重要な他者という。



アタッチメント(愛着理論)

問7.乳幼児期の愛着の形成により獲得される内的ワーキングモデルは、後の対人関係パターンに影響する。

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〇 愛着は内在化され、その後の対人関係に影響を及ぼすとされている。この内在化されたものを内的ワーキングモデルと呼ぶ。

 

問8.ストレンジ・シチュエーション法では、虐待など不適切な養育と関係のある愛着のタイプを見つけ出すことは難しい。

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✖ ストレンジ・シチュエーション法により、虐待などの不適切な養育を見出すことができる。

 

問9.愛着のタイプに影響を及ぼす要因には養育者の子供に対する養育態度だけでなく、子供自身の気質もある。

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〇  設問通り。

 

遺伝と環境

問10.成熟優位説では、学習を成立させるために必要なレディネスを重視する。

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〇 人間の成熟(発達)は、環境と関係なく、遺伝的・生得的なレディネスにより、「そのとき」が来ると自然に発現する行動等により規定される。

 

問11.環境優位説では、周囲への働きかけや環境及び出生前の経験を重視する。

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✖ 環境優位説は、経験説とも呼ばれ、出生後の環境や学習経験を重視。

 

問12.輻輳説では、発達は遺伝的要因と環境的要因の足し算的な影響によるとした。

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〇 輻輳とは、さまざまな方面から重要なことが足し算的に集中することを意味する。

 

問13.環境閾値説では、心理的諸特性が顕在化するには固有の人格特性があるとした。

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✖ 環境閾値説は相互作用説とも呼ばれ、ある心理的特性に合ったある環境が基準値を超えることで、その心理的特性は顕在化すると考える。

 

問14.行動遺伝学では、遺伝と環境の関係を地域かんきょうの側面から統計的に手法で見積もる。

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✖ 行動遺伝学において、「環境」は共有環境と非共有環境に分けられる。共有環境とは、「家庭」等の家族にまつまる環境のことであり、非共有環境とは、「地域」「学校」「職場」等の環境のことである。



 日常生活と心の健康

ストレッサー

問15.ストレッサーを制御できるという信念は、ストレスの緩和につながる。

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〇 「信念」のことを心理学では「認知」と呼ぶ。人は環境刺激に対して、➀ストレスフル➁無関係➂良好というように認知的評価を下す。ある出来事がストレスになるかどうかは、個人の主観である認知的評価による。

 

問16.アパシーとは、ストレス状態が続いてもそれに対処できている状態のことである。

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✖ アパシーとは、ストレスに対処できず「無気力」のような心理状態。

 

問17.ハーディネスとは、ストレスに直面しても健康を損なうことが少ない性格特性である。

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〇  設問通り。

 

コーピング

問18.コーピングとは、ストレスの原因となる出来事のことである。

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✖ 設問の内容はストレッサーの説明。コーピングとはストレッサーに対処して、ストレス状態を少しでも減らそうとすること。

 

問19.試験の結果が悪かったので、気晴らしのため休日に友人と遊びに出かけた。これは、問題焦点型コーピングである。

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✖ 設問は情動型焦点型コーピングの例。

 

問20.食事介助がうまくいかず落ち込んだが、先輩職員に具体的な方法を教えてもらった。これは、情動焦点型コーピングである。

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✖ 設問は問題焦点型コーピングの例。



ストレス症状

問21.バーンアウトでは、理解と発話の両面での失語症状がみられる。

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✖ ストレスによって発生できなくなるという失声症状みられることもあるが、バーンアウトで必ずしも生じるというものでもない。

 

問22.バーンアウトでは、人を人と思わなくなる気持ちが生じる。

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〇 消耗している状態(情緒的、消耗感)、人を人と思わなくなる気持ち(脱人格化)、対人支援の仕事にかかわる有能感や達成感(個人的達成感)の3つからなる。

 

問23.バーンアウトでは、近時記憶の著しい低下が生じる。

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✖ 近時記憶の著しい低下が生じるのは、アルツハイマー型認知症である。

 

問24.バーンアウトでは、視覚的な幻覚が頻繁に生じる。

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✖ 視覚的な幻覚は認知症の1つであるレビー小体型認知症でみられる。

 

問25.バーンアウトでは、他者との関係を弱めようとする傾向が生じる。

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〇 バーンアウトに陥り、脱人格化の状態になると、他者との関係を弱めようとすることがある。

問26.心的外傷トラウマ反応は、出現の様相についての個人差が大きい。

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〇 個人の性格傾向、外傷体験の種類や捉え方などによって、症状やその出現の強さなどが違う。

 

 心理的支援の方法と実際

心理検査

問27.内田クレペリン精神検査は、積木構成課題結果の心的活動の調和・均衡の様態から、種々の場面で適切な行動を示すことができるかどうかについて見立てる。

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✖ 内田クレペリン精神検査は、足し算の作業量(正解率や速度)の変化から性格や適性を知る。。

 

問28.MMPIでは、単語理解のような言語性の知能を測定する。

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✖ MMPI(ミネソタ多面式人格検査目録)は、質問紙法による性格検査である。

 

問29.CMIでは、視覚認知機能を測定する。

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✖ 患者の身体面及び精神面の自覚症状の把握目的とした検査である。

問30.PFスタディでは、欲求不満場面での反応を測定する。

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〇 投影法による性格検査の1つ。

 

問31.TATでは、インクの染みを用いた知覚統合力を測定する。

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✖ 設問はロールシャッハテストの説明。



カウンセリングの目的、対象、方法

問32.来談者中心療法は、夢分析を行い無意識の意識化を促進させる。

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✖ 設問はユング派の分析心理学による心理療法の説明。

 

問33.カウンセラーの「あなたご自身が体験され苦痛を感じたいくつかの話をお聴きし、私は今あなたがつらい思いをされているのがわかります」という発言は、来談者中心療法における受容の応答として適切である。

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〇 設問は「受容」の応答として適切である。

 

問34.認知行動療法では、クライアントの発言を修正せず全面的に受容することが、クライアントの行動変容を引き起こすと考える。

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✖ 設問は来談者中心カウンセリングについての説明。この方法はロジャーズによって提唱された。

 

カウンセリングとソーシャルワークの関係

問35.犯罪被害者支援においては、性を意識した意識覚醒訓練と自己主張訓練などの集団療法を行うことが重要とされる。

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✖ 設問の内容は、女性の社会や家庭に対する不適応に対して用いられるフェミニスト・カウンセリングの技法である。

 

問36.引きこもり支援においては、適切な子育てを学ぶ親教育と親の怒りのコントロールを学ぶアンガーマネジメントを行うことが重要とされる。

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✖ 引きこもり支援の方法は、ほとんどの場合、親(家族)からの相談に始まり、家族への相談、本人への個人治療、集団適応支援という流れで行われることが多い。したがって支援は設問の内容だけではない。

 

問37.学生相談においては、連携機関のキーパーソンとの緊密な連絡及びクライアントに対する買物代行、通院同伴、裁判法定傍聴などの直接支援を行うことが重要とされる。

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✖ 学生相談は、大学における心理的相談活動の総称である。抱えている問題を学生自身が主体的に解決するための援助活動や心理療法、情報提供などを行う。直接的な支援を行うものではない。

 

問38.非行児の支援においては、非行少年、非行少年の家族、少年非行の被害者に限定しない支援を行うことが重要とされる。

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〇 非行は、社会環境全体のなかにある問題によっても起こり得る。なぜ非行が起こったかというような、コミュニティに存在する問題を解決を図ることが、コミュニティ心理学の役割の一つである。



精神分析

問39.精神分析療法は、自己認知の変容のために認知再構成法を用いる。

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✖ 設問は認知行動療法の説明。認知行動療法では、物事のとらえ方(認知)の癖やゆがみ(スキーマ)を修正するために、認知再構成法を用いる。

 

問40.精神分析療法では、転移関係についての解釈と洞察が重要である。

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〇 精神分析療法は、現在の心理的問題の原因を過去に求め、クライアントに思い浮かんだことを自由に語ってもらうという自由連想法を用い、クライアントは洞察(気づき)を得る。

 

問41.精神分析療法では、クライアントの変わりたくないという理由を深く掘り下げていくことが行動変容につながると考える。

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〇 クライアントの代わりたくない気持ちを抵抗という。抵抗を克服することが治療の流れで重要になる。

 

行動療法

問42.クライアントが即興的にドラマを演じ、自発性や創造性を高める。これは、行動療法に基づく技法である。

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✖ 設問はサイコドラマに関する記述。心理劇ともいわれる。

 

問43.問題が起きなかった例外的な状況に関心を向けることで、クライアントの問題解決能力を向上させる。これは、行動療法に基づく技法である。

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✖ 設問はブリーフ・サイコセラピーに関する記述。ブリーフ・サイコセラピーとは、解決のゴールを設定し短期間で問題解決を目指そうとする心理療法である。

 

問44.自由連想法を使用し、クライアントの無意識の葛藤を明らかにする。これは、行動療法に基づく技法である。

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✖ 設問は精神分析に関する記述。

 

問45.不安喚起場面に繰り返しさらすことで、クライアントの不安感を低減させる。これは、行動療法に基づく技法である。

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〇 設問は行動療法の中でも曝露療法についての説明。エクスポージャー法とも呼ばれる。

 

問46.自分や周囲に対して過度に否定的で、挫折感に浸っている不安やうつなどの気分障害のクライアントに対して、考え方や感じ方を肯定的な方向に変化させていく。これを系統的脱感作法という。

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✖ 設問は認知行動療法に関する記述。認知行動療法は、考え方や信念を取り上げ、不合理な考え方を変えていく方法である。

 

問47.クライアントは、個別に作成された不安階層表を基に、リラックスした状態下で不安の誘発度の最も低い刺激から徐々に刺激が増やされ、段階的に不安を克服していく。これを系統的脱感作法という。

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〇 系統的脱感作法は不安や恐怖を感じている時に、リラックスした状態を強く起こさせることで不安や恐怖を抑える方法。

 

問48.来談者中心カウンセリングでは、クライアントを事実と違うことを発言した場合、その都度修正しながら話聞いていく。

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✖ 設問は認知行動療法についての説明。物事のとらえ方のくせやゆがみが問題行動を起こしていると考え、その人のもつ考え方や信念を修正する療法。

 

問49.認知行動療法は、自動思考を修正することを目的としている。

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〇 観察可能な行動に焦点を当てた行動療法から発展し、観察が難しいような物事のとらえ方に焦点を当てた心理療法。

 

問50.社会生活技能訓練(SST)では、ロールプレイなどの技法を用い、対人関係で必要なスキル習得を図る

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〇 行動療法の1つ。人が他者と良好な人間関係を築き、社会の中で生きていくためのルールを身につける訓練。



心理療法

問51.応用行動分析は、個人の無意識に焦点を当てて介入を行っていく。

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✖ 応用行動分析は、スキナーが創始した。行動心理学の考えを基礎にもった問題解決の手段で個人に直接働きかけるというより、その個人の周囲にある環境にある環境に働きかけて行動を変化しようといった考え方が特徴である。

 

問51.「すべての人に愛されなければならない」という非合理的な信念を「すべての人に愛されるにこしたことはない」という合理的な信念に修正していく。これを系統的脱感作法という。

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✖ 設問は論理療法に関する記述。

 

問52.課題動作を通じ、クライアントの体験様式の変容を図る。これは、動作療法に基づく技法である。

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〇 言葉だけではなく動作を手段として心理的問題を改善する心理療法の1つ。

 

問53.回想法は、クライアントの人生を振り返ることで、アイデンティティを再確認していく。

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〇 1960年代バトラーが提唱した心理療法。

 

問54.家族療法のシステムズアプローチでは、家族間の関係性の悪循環を変化させる。

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〇 家族間の相互作用を観察しながら治療を進める。

 

問54.森田療法は不安をあるがままに受け入れられるように支援していく。

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〇 不安をうけいれながら活動していく。

 

問54.自律訓練法は、筋肉を漸進的に弛緩させる技法である。

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✖ 設問は漸進的筋弛緩法の説明。

 

問55.受動的注意集中状態下で、四肢の重感、四肢の温感、心臓調整、呼吸調整、腹部温感、額部涼感を順に得ることで、心身の状態は緊張から弛緩に切り替えられる。これを系統的脱感作法という。

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✖ 設問は自律訓練法の説明。



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